飲食店にキャッシュレス決済を導入するなら、結論、比較すべきは「対応決済手段の幅」「決済手数料」「入金サイクル」「レジ連携力」の4点です。
この記事では、飲食店で名前が挙がりやすい主要8社を、この4つの軸で横並びに整理していきますね。
Airペイ、stera pack、PAYGATE、EPARKペイメントサービス、Square、USEN PAY、JMS(おまかせサービス)、楽天ペイ ターミナルという、実際にお店選びの現場でよく比較検討される顔ぶれです。
なお、本記事に登場する決済手数料・入金サイクル・キャンペーン内容は2026年9月時点で確認できた情報をもとにしています。
各社の条件は変動する可能性があるほか、事業規模や審査結果によって適用条件が変わるケースもあるため、実際の導入時には必ず公式サイトや問い合わせで最新情報をご確認くださいね。
飲食店向け決済端末にはどんな種類がある?
飲食店で使われる決済端末は、大きく「据置型」と「モバイル型」の2タイプに分かれます。
据置型はレジカウンターに固定して使うタイプで、たとえば「stera pack」の「stera terminal」は、店舗側とお客さま側の両方にタッチパネルを備え、端末の向きを変えずに暗証番号入力やサインができる作りになっています。
一方のモバイル型は持ち運びができるワイヤレスタイプです。
「Airペイ」のカードリーダーは手のひらサイズで、iPadやiPhoneとBluetoothでつないで使う仕組みになっています。
テーブル会計が基本の飲食店では、お客さまの席まで端末を持っていけるモバイル型が特に重宝されますよね。
決済方法の面では、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済をまとめて扱える「マルチ決済端末」が主流です。
「PayPay」や「d払い」といったコード決済から、Suica・iDなどの電子マネー、Visa・Mastercardなどのカードブランドまで1台でカバーできるのは、忙しい現場にとって大きな安心材料になります。
お店の規模やホールのオペレーションによって、据置型が向くのかモバイル型が向くのかが変わってくる、というのがまず押さえておきたい基本線です。
たとえばカウンター中心の立ち食い業態やレジ横決済が基本の業態なら据置型でも運用は回りますが、テーブル数が多く、注文と会計が席で完結するスタイルの居酒屋やカフェでは、モバイル型のほうが会計待ちの行列を作りにくいというメリットがあります。
つまり「どちらが優れているか」ではなく、「自店のオペレーション動線にどちらが合うか」で考えるのが、最初の分かれ道になるということですね。

主要8社の決済手数料・入金サイクル比較表(2026年9月最新)
飲食店向け決済端末として名前が挙がりやすい8社の条件を、一覧で整理しました。
数値は2026年9月時点で公表されている目安であり、事業規模・業種・審査結果によって変わる可能性がある点はあらかじめご了承ください。
サービス名決済手数料の目安入金サイクルの目安
Airペイクレジット・電子マネー・QRコードともに3.24%三井住友・みずほ・三菱UFJ指定で月6回、その他は月3回
stera packVisa・Mastercardが2.7%(スタンダードプラン)契約金融機関により最短翌営業日〜
PAYGATE個別見積もりで1.98%〜契約内容により変動、要問合せ
EPARKペイメントサービス2%台〜(医療系業種は1%台〜)契約内容により変動、要問合せ
Square主要ブランドで一律3.25%前後三井住友・みずほ指定で最短翌営業日、その他は週1回
USEN PAY個別見積もり(要問合せ)契約内容により変動、要問合せ
JMS(おまかせサービス)個別見積もり(要問合せ)契約内容により変動、要問合せ
楽天ペイ ターミナルクレジットは3.24%〜、コード決済は1.98%〜(条件あり)楽天銀行指定で翌日、その他金融機関は月6回
このように並べてみると、公表されている料率だけでも1.98%〜3.25%前後まで幅があることが分かりますよね。
USEN PAYやJMSのように個別見積もり制のサービスは、業種や取扱高によって条件が大きく変わるため、この表の数字だけで判断せず、必ず問い合わせで自店の条件を確認することをおすすめします。
飲食店の場合、月々の決済額が大きいほど、この数%の差が積み重なって収益に影響してきます。
たとえば月商300万円のうちキャッシュレス決済比率が7割(210万円)の店舗を想定すると、手数料3.24%なら月あたり約6.8万円、手数料1.98%なら月あたり約4.2万円の負担となり、その差は年間で約31万円にものぼる計算になります。
これはあくまで一つの試算にすぎず、実際の客単価や決済比率、契約条件はお店ごとに大きく異なるため、「自店に当てはめるとどうなるか」を各社の見積もりで確認する材料としてとらえてくださいね。
もう一つ見落とされがちなのが、手数料に加えて発生しうる「端末代金」や「月額利用料」の存在です。
同じ手数料水準に見えても、端末が買い切りなのかレンタルなのか、月額固定費が別途かかるのかによって、トータルコストは変わってきます。
比較表の数字だけでなく、見積もり時には「初期費用+月額費用+決済手数料」を合算したトータルコストで判断することが、後から「思ったより高かった」を防ぐポイントになりそうです。
レジ連携に強いのはどこ?回転率アップの視点で比較
飲食店の回転率を左右する大きな要素が、レジ(POSレジ)と決済端末の連携です。
「Square」は決済端末とPOSレジ機能を自社で一体的に提供しているサービスで、モバイル型の「Square Reader」は本体価格4,980円(税別、2026年9月時点)という手頃さが特徴です。
専用のPOSレジアプリと組み合わせれば、商品登録から売上管理までワンストップで完結します。
「Airペイ」は、iPadで動く無料のPOSレジアプリ「Airレジ」と組み合わせることで、商品単価登録や日別・商品別の売上分析、在庫管理までを一通りカバーできます。
「PAYGATE」は、スマレジが提供する決済サービスで、専用アプリ「PAYGATE POS」を端末にインストールすれば、商品計算から決済までタッチパネル内で完結する設計です。
レジまで移動せずに会計できるため、テーブル数の多い飲食店では特に効果を発揮しやすいと考えられます。
「USEN PAY」は、飲食店・理美容室・小売店・整体院向けのタブレット型POSレジ「USENレジ」を用意しており、機材の手配・設置から従業員研修まで同社スタッフがサポートしてくれる点も安心材料です。
このように、レジ機能を自社サービス内で完結できるSquareやPAYGATEと、既存のAirレジと組み合わせるAirペイとでは、導入後の運用イメージが異なる点も比較のポイントになります。
レジ連携がしっかりしているサービスほど、会計時の二重入力や伝票照合の手間が減り、結果として回転率の向上につながりやすい、というのが押さえておきたいポイントです。
加えて、レジ連携の強さは会計スピードだけでなく「経理作業の負担軽減」にも直結します。
日々の売上データが自動で集計されるサービスを選んでおくと、月末の売上突合や税理士への提出資料づくりにかかる時間もぐっと減らせますよね。
飲食店のオーナーは仕入れやシフト管理など他の業務にも追われがちなので、この「バックオフィスの手間が減るかどうか」も、地味ながら見逃せない比較軸だと言えそうです。
屋外対応・インバウンド対応も要チェック
飲食店特有の事情として、テラス席や屋台、キッチンカーなど「Wi-Fiが届きにくい環境」での決済ニーズがあります。
こうした場面では、4G/LTE通信とWi-Fiを切り替えられるモバイル型端末が便利です。
「JMS」の「VEGA3000 Mobile2」シリーズや「楽天ペイ ターミナル」は、場所に応じて通信方式を切り替えられる仕様になっています。
屋外イベントや移動販売がある飲食店では、この通信の柔軟性が導入前にぜひ確認しておきたいポイントですね。
訪日外国人のお客さまが増えている飲食店では、インバウンド決済への対応も見逃せません。
「JMSおまかせサービス」は、国内の主要コード決済に加えて、東南アジアで広く使われる「Alipay+」にも対応しており、シンガポールの「EZ-Link」や韓国の「KakaoPay」、フィリピンの「Gcash」など20以上のブランドをカバーしています。
「楽天ペイ ターミナル」も、台湾でシェアの高い「JKOPAY」や、中国全土で使われる「UnionPay QRコード」に対応しているため、外国人観光客が多いエリアの飲食店には心強い選択肢になりそうです。
こうしたインバウンド対応の広さは、単なる決済手段の多さというより「取りこぼしをなくす」という意味で、売上の機会損失を防ぐ役割を果たしていると考えられます。
観光地やインバウンド需要の高いエリアの飲食店では、対応ブランド数の多さだけでなく、「多言語対応の決済画面があるか」もあわせて確認しておくと、外国人スタッフや外国人客とのやり取りがスムーズになりやすいでしょう。

実際の使い勝手はどうなの?評判から見える傾向
決済端末は、スペックだけでなく実際の使用感も気になるところですよね。
ここでは特定の口コミサイトの発言をそのまま引用するのではなく、複数のレビューサイトやSNS上で見られる傾向として、一般的にどう評価されているかをまとめます。
Square Readerについては、コンパクトなサイズ感とタッチ決済のスムーズさを評価する声が多く見られる傾向にあります。
操作がシンプルで、初めて決済端末を導入する個人店でも扱いやすいという評判も比較的目にする印象です。
Airペイについては、対応する決済ブランドの幅広さから外国人客への対応がしやすいという評価がある一方、店舗によっては通信環境の影響を受けやすいという指摘も見られます。
stera terminalについては、画面の見やすさや操作の分かりやすさから、多国籍なスタッフを抱える店舗でも扱いやすいという評判がある一方、据置型ゆえに客席での決済ができない点は制約として挙げられることが多いようです。
なお、こうした評判はレビューサイトやSNSの投稿時期・投稿者によって内容が変わりうるため、あくまで一般的な傾向としてとらえていただき、実際の使い勝手は無料デモやトライアルで確認するのが確実です。
加えて、据置型のstera terminalは加盟店審査に1.5ヶ月以上かかる場合がある点にも注意が必要です(審査期間は2026年9月時点の目安で、事業者の状況により変動します)。
導入を急ぎたい飲食店では、この審査期間中の“つなぎ”としてSquareなど比較的導入が早いサービスを一時的に併用するという選択肢も現実的だと感じます。
口コミを見るときにもう一つ意識したいのが、投稿された時期です。
決済サービスはアプリの改善や手数料改定が比較的頻繁に行われる分野なので、1〜2年前の口コミが今も当てはまるとは限りません。
なるべく直近半年〜1年以内の投稿を中心に参考にする、という視点を持っておくと、評判とのズレを減らせるはずです。
失敗しない決済端末選びのチェックリスト
ここまでの比較を踏まえて、実際に検討する際に確認しておきたいポイントを整理しておきますね。
対応する決済手段(クレジット・電子マネー・QRコード・インバウンド決済)が自店の客層に合っているか
決済手数料だけでなく、初期費用・端末代金・月額利用料を含めたトータルコストで比較しているか
入金サイクルが自店の資金繰りに無理のないタイミングか
既存のPOSレジ、もしくは導入予定のPOSレジと連携できるか
テラス席や屋外イベントなど、Wi-Fi環境に左右されない通信方式に対応しているか
加盟店審査にかかる期間を踏まえ、開店や繁忙期に間に合うスケジュールで申し込めているか
これらは一つひとつを完璧に満たす必要はありませんが、自店にとって「絶対に外せない条件」を先に決めておくと、複数社を比較するときに迷いにくくなります。
たとえば「とにかく開店に間に合わせたい」のか、「多少時間がかかっても手数料を抑えたい」のかによって、優先順位はまったく変わってくるはずです。
飲食店の決済端末選びで筆者が考える見極めポイント(考察)
ここからは、これまでの比較を踏まえた筆者としての考察をお伝えしますね。
まず率直に感じるのは、「どの決済端末が一番優れているか」という一択の正解は存在しないということです。
個人経営で客席数の少ない飲食店であれば、初期費用を抑えられるモバイル型(Square ReaderやAirペイのカードリーダー)が現実的な選択になりやすいと考えられます。
一方、複数店舗を展開していたり、客単価が高くレジ締め作業の負担が大きかったりするお店では、決済手数料の低さとPOSレジ連携の強さを両立できるstera packやPAYGATEのようなサービスの方が、長期的なコストメリットが大きくなる可能性があります。
たとえば月商150万円程度の個人店であれば、初期費用ゼロで始められるモバイル型を選び、手数料の差よりもまず「導入のしやすさ」を優先する判断は理にかなっていると筆者としては考えます。
対して月商1000万円規模で複数店舗を持つ事業者であれば、手数料が0.5%違うだけで年間の負担額が数十万円単位で変わってくるため、初期の審査期間の長さを許容してでも手数料の低いサービスを選ぶ価値がある、というのが筆者の見立てです。
個人的に注目したいのは、入金サイクルの短さが持つ意味です。
飲食業は仕入れや人件費など日々の資金繰りがシビアな業種だからこそ、月1〜2回の入金しかないサービスと、翌営業日〜週数回入金があるサービスとでは、経営の安心感がまったく違ってくると筆者としては考えます。
決済手数料の1%の差ばかりに目が行きがちですが、キャッシュフローという観点も含めて比較することが、飲食店における決済端末選びの見落とされがちな視点だと言えそうです。
もう一つ、業界構造として気になっているのが、stera terminalのような据置型端末の審査期間の長さです。
これは筆者の見立てですが、対面決済に特化した高セキュリティ仕様の端末ほど、加盟店契約時の本人確認や事業実態の確認が厳格になりやすい傾向があるためではないかと考えられます。
過去にも、審査に時間がかかるサービスを開店直前に申し込んでしまい、オープン日にキャッシュレス決済が間に合わなかった、という趣旨の相談がSNS上の飲食店経営者コミュニティなどで見られることがあります。
こうした事例を踏まえると、決済端末は「開店直前」ではなく「開店の2〜3ヶ月前」を目安に申し込みを進めておくのが安全だと筆者としては考えます。
今後の見通しとしては、訪日外国人の増加や人手不足を背景に、決済とレジ機能、さらには勤怠管理や顧客分析までを1台でこなす「オールインワン型」の需要がさらに高まっていくと予想されます。
背景には、人手不足で一人あたりの業務範囲が広がる中、複数のシステムを別々に管理する余裕が飲食店側になくなってきている、という構造的な事情があるように筆者には見えます。
stera packの「stera market」のように、決済端末上でアプリを追加していく発想は、今後ほかのサービスにも広がっていくのではないでしょうか。
さらに筆者として付け加えておきたいのが、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応という観点です。
決済端末やPOSレジと連動して領収書・レシートのデータをそのまま電子データとして保存できる仕組みを持つサービスを選んでおくと、経理担当者やオーナー自身の事務負担が長期的に軽くなりやすいと筆者は考えています。
これは決済手数料や入金サイクルほど目立たない要素ですが、日々の業務効率という意味では地味に効いてくるポイントなので、比較検討の際にぜひ問い合わせで確認してみてほしいところです。
加えて、決済端末やPOSレジの導入にあたっては、条件次第で「IT導入補助金」など公的な補助制度を活用できるケースもあります。
補助金の対象や金額、申請要件は年度や制度によって変わるため、この記事では断定を避けますが、導入コストを抑えたい飲食店は、契約前に各社の担当者や商工会議所などへ「利用できる補助制度があるか」を確認してみる価値はありそうです。
よくある質問
飲食店の決済端末は無料で導入できますか?
サービスによって条件は異なりますが、「EPARKペイメントサービス」のように初期費用・端末代金・月額利用料が0円から始められるプランや、「Airペイ」の「0円スタートプログラム」のようにカードリーダーが無料貸与されるキャンペーンもあります。
ただし条件やキャンペーン内容は変動するため、最新情報は各社の公式サイトで確認することをおすすめします。
決済端末とPOSレジを同時に導入することはできますか?
はい、可能です。「PAYGATE」はスマレジのPOSレジ機能と一体化した端末を提供していますし、「Airペイ」も無料のPOSレジアプリ「Airレジ」と組み合わせて使う設計になっています。
レジ業務の効率化を重視するなら、こうした連携機能の有無を比較のポイントにするとよさそうです。
決済手数料が一番安い決済端末はどれですか?
決済手数料は事業規模や業種、決済ブランドによって変わるため一概には言えませんが、「PAYGATE」は個別見積もりで1.98%〜、「stera pack」のスタンダードプランはVisa・Mastercardで2.7%など、比較的低水準のサービスも存在します。
正確な料率は問い合わせや公式サイトでの見積もりが必要です。
決済端末の審査にはどれくらい時間がかかりますか?
サービスによって差がありますが、据置型のstera terminalは加盟店審査に1.5ヶ月以上かかる場合があるとされています。
一方でモバイル型のSquareなどは比較的早く導入できる傾向にあるため、開店スケジュールに余裕がない場合は、審査期間の目安を事前に確認しておくと安心です。

まとめ
飲食店の決済端末選びでは、対応する決済手段の幅、決済手数料、入金サイクル、そしてレジとの連携のしやすさという4つの視点が欠かせません。
主要8社を比較してみると、公表されている手数料だけでも1.98%〜3.25%前後まで幅があり、個別見積もり制のサービスも多いため、表の数字はあくまで目安として、自店の条件は必ず問い合わせで確認する必要があります。
個人店ならモバイル型の手軽さ、複数店舗や高単価店ならオールインワン型の連携力というように、お店の規模や運営スタイルに合わせて選ぶことが、回転率アップと会計業務の効率化につながっていきます。
さらに、審査期間やインボイス対応、補助金の活用可能性まで含めて比較しておくと、導入後の「思っていたのと違った」を避けやすくなります。
手数料や審査期間などの具体的な条件は変動しやすいので、まずは気になるサービスの資料を取り寄せて、公式サイトの最新情報とあわせて比較検討するところから始めてみてください!


